人格(person)はラテン語の「Persona」から由来すると言われます。主な意味は「演劇用仮面」に使われたそうです。演劇によって俳優は役があります。芝居のたびに仮面をかぶって、その役を演じていくわけです。つまり、個人の人格性は関係の中で個人の役割を果たしていくこと、それがそもそもの人格の意味でした。
現代は個人主義になってしまって、自分らしさとか、自分のやりたいように生きる、好きなものを自由に選んでいく、もちろん個人の気持ちは尊重されるべきです。しかし、もともとは他者とのかかわりの中での自分であり、その共同体で自分に与えられた役割を果たしていくことが大切なこととされました。よくバイリンガルの人は言語ごとに人格を持つと言われています。パウロはユダヤ人にはユダヤ人の仮面をかぶって、ギリシャ人にはギリシャ人の仮面をかぶって接しました。私たちはキリストの共同体を愛し、仕えて、共同体の一部として、自分を表していくのです。